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指導・演奏の依頼を受けるためのプロフィールの作り方

依頼する側が迷うのは「上手いかどうか」ではありません。条件が合うか、任せて安心か、連絡が取れるか。この3つです。

先生・奏者向け読了目安 7更新 2026/07/24

SUMMARY

この記事の要点

  • 依頼する側が見ているのは、上手さより「条件が合うか・任せて安心か・連絡が取れるか」。
  • 対応範囲は広く書くほど有利ではない。はっきり書いてあるほうが声がかかる。
  • 音源・動画は長さより、聴けば雰囲気が伝わることが大切。1本で十分。
  • 返信の速さは、経歴以上に依頼の決め手になることがある。

依頼する側は何を見て決めているか

「もっと上手ければ依頼が来るのに」と考えてしまいがちですが、団体が指導者や奏者を探すとき、最初に見ているのは演奏の巧拙ではありません。実際に確認されているのは、おおよそ次の3点です。

  1. 1条件が合うか — その楽器を担当できるか、その日に来られるか、通える場所か。
  2. 2任せて安心か — 中高生を任せられるか、団の雰囲気に合いそうか、指導経験があるか。
  3. 3連絡が取れるか — 問い合わせに返事が来るか、当日までやり取りができるか。

演奏の実力が問われるのは、この3つを通過したあとです。逆に言えば、実力があっても条件が書かれていなければ、検討の対象にすら入りません。プロフィールで最初に埋めるべきは、経歴ではなく条件です。

ポイント

依頼する側の多くは、音楽の専門家ではありません。学校の担当者、地域クラブの運営者、団の事務担当者など、「その楽器のことは分からないが、人を探さないといけない」立場の人が読んでいます。専門用語だけで書かれたプロフィールは、その人たちには判断できません。

プロフィールに書きたい10項目

項目書き方の例
1. 担当できる楽器「トランペット(メイン)/フリューゲルホルン」。持ち替えの可否も書きます。
2. 指導できる形態個人レッスン/パート指導/セクション指導/合奏指導/基礎合奏。どこまで対応できるかを分けて書きます。
3. 対応できる地域「◯◯県◯◯市を中心に、片道1時間半まで」。市区町村名まで書くと検索で見つかりやすくなります。
4. 動ける曜日・時間「土日終日/平日は19時以降」。ここが空欄だと問い合わせが止まります。
5. 単発か継続か「単発のトラ可/月1〜2回の継続指導も可」。
6. 対象中学生/高校生/一般/初心者団体/シニア。得意な対象を書きます。
7. 指導歴・演奏歴年数と、どんな団体でどんな指導をしてきたか。団体名を出せない場合は種類だけでも構いません。
8. 学校・地域クラブ指導の経験経験があれば必ず書きます。依頼する側がいちばん知りたい情報のひとつです。
9. 謝礼の目安「1回2時間で◯◯円程度から/交通費別途」。目安だけでも十分です。
10. 音源・動画1本で構いません。演奏か、指導風景のどちらかがあれば伝わります。

対応範囲は「広く」より「はっきり」

依頼を増やしたいと思うと、「どこでも行きます」「なんでもやります」と書きたくなります。しかし実際には、範囲をはっきり書いてあるプロフィールのほうが声がかかります。

理由は、依頼する側が「本当に来てもらえるのか」を判断できないと、連絡をためらうからです。「関東一円対応」と書かれていても、自分の団体の場所が片道2時間かかるなら、依頼していいものか迷います。一方、「◯◯市から片道1時間半まで」と書いてあれば、その範囲内の団体は迷わず連絡できます。

書き方受け取られ方
「関東一円対応可」本当に来られるのか判断できず、遠方の団体は遠慮し、近隣の団体も「忙しそう」と感じる。
「◯◯市在住、片道1時間半まで伺えます」自分の団体が範囲内かどうかを、その場で判断できる。
「なんでも指導します」何が得意なのか分からず、専門的な依頼をしにくい。
「金管の基礎とパート指導が中心です。合奏指導も相談可」依頼内容と合うかどうかが明確で、相談しやすい。

音源・動画は1本でいい

演奏の音源や動画があると、依頼する側の判断は大きく進みます。ただし、完璧な録音を用意しようとして、結局いつまでも用意できないのがいちばんもったいない状態です。

  • スマートフォンで録ったものでも構わない
  • 1〜2分で十分(最後まで聴かれることは多くありません)
  • 本番の全曲より、ソロや目立つ箇所の短い抜粋のほうが伝わる
  • 指導している様子が撮れるなら、演奏より強い材料になることがある
  • 録音・撮影したものを公開してよいか、団体・主催者に確認する

注意

演奏会の音源や動画には、他の演奏者や主催者の権利が関わる場合があります。公開する前に、録音・撮影と公開の可否を確認してください。楽曲によっては、公開にあたって権利処理が必要になることもあります。

学校・地域クラブの依頼で確認すること

部活動の地域展開が進み、学校や地域クラブから指導の依頼を受ける機会は増えていく見込みです。一般のアマチュア団体からの依頼と違い、手続きの面で確認すべきことがあります。

  • 誰からの依頼か(学校、教育委員会、運営団体、受託事業者のいずれか)
  • 謝金の基準と、支払いまでの流れ・時期
  • 必要な書類(本人確認、経歴書、口座の届出、誓約書など)
  • 活動中の事故に対して、どの保険が適用されるか
  • 指導日・時間の決まり方(年間で固定か、都度調整か)
  • 報告書の提出が必要かどうか

これらは団体や自治体によって異なります。引き受ける前に確認しておくと、後から想定外の負担が出ることを防げます。関連して、部活動の「地域展開」と吹奏楽部の外部指導者もあわせてご覧ください。

返信の速さが、いちばんの差になる

団体側は多くの場合、複数の候補者に同時に連絡しています。そのため、返信が早い人から順に予定が埋まっていきます。経歴で競うより、返信の速さのほうが結果を左右する場面は珍しくありません。

すぐに可否を答えられないときも、次のように一次返信だけ返しておくと、候補から外れずに済みます。

すぐに返せる一次返信の例

ご連絡ありがとうございます。◯◯と申します。

◯月◯日の件、前向きに検討したいのですが、
他の予定の確認に2日ほどお時間をいただけますでしょうか。
◯月◯日(◯)までにあらためてご連絡いたします。

あわせて、下記だけ先に伺えると助かります。
・当日の集合時刻と終了予定
・楽譜をいただける時期

よろしくお願いいたします。

断り方も次につながる

日程が合わない依頼を断ることは、まったく問題ありません。むしろ、丁寧に断った相手から次の機会に声がかかることはよくあります。断るときに次の一言を添えるだけで、印象は変わります。

  • その日程が難しい理由を、簡単に添える(他の本番と重なっている等)
  • 対応できる時期があれば伝える(「◯月以降であれば可能です」)
  • 同じ楽器の知人を紹介できるなら、その旨を伝える
  • 次の募集も見せてほしい、と伝えておく

ブラスマッチでは、条件に合う依頼を見つけやすくすることに加えて、先生・奏者の側から「指導できます」「トラ対応できます」と情報を出しておけるようにすることを目指しています。人づてのつながりがなくても、条件が合う団体から見つけてもらえる状態を作ることが目的です。

よくある質問

プロの演奏家でなくても、指導の依頼は受けられますか。

受けている方は多くいます。アマチュア団体のパート指導やトラでは、経歴よりも「その楽器を担当できること」「日程が合うこと」「連絡が取れること」が重視される場面が少なくありません。ただし、経歴を実際より大きく見せることは避け、指導経験の有無は正直に書いてください。

音大生でも依頼を受けてよいのでしょうか。

パート指導やトラの依頼では、在学中の方が担当している例もあります。学年や専攻を明記し、指導経験がまだ少ない場合はその旨を書いておくと、条件が合う団体から声がかかりやすくなります。

謝礼の希望額は書いたほうがよいですか。

書いておくほうが、条件の合わない依頼を減らせます。金額を確定できない場合でも「1回2時間で◯◯円程度から」「交通費別途をお願いしています」のように目安と方針を示すと、依頼する側が判断しやすくなります。

中高生の指導では、何か特別な準備が必要ですか。

団体や自治体によって、本人確認の書類、経歴書、誓約書、保険の加入などを求められることがあります。求められる内容は依頼元によって異なるため、引き受ける前に必要な手続きを確認しておくと安心です。

最終更新: 2026/07/24/この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法律・税務・行政手続の助言ではありません。制度や条件は地域・団体・年度によって異なるため、実際の判断は各自治体・団体の最新の公表資料をご確認ください。

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